医療現場の勤務医からコロナ対応への7つの提言

#新型ウイルス感染症

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2021年1月10日
二回目の緊急事態宣言の中、
医療現場の勤務医から
病院の現状と
現場からのコロナ対応への提言を
綴らせて頂きます。

医療現場の現状

自分の勤務する病院は
神奈川県の3次救急病院で
コロナ患者さんも対応しています。
現状ですが年末、年始にかけて
やはり、コロナ患者さんの搬送が
増えています。

医療現場も疲弊してきており、
特に疲弊しているのが
救急車を対応する
救急科の医師と看護師さん。
重症のコロナ患者さんを治療する
集中治療部の医師と看護師さんです。

私は消化器内科が専門です。
コロナ患者さんに
役立つ治療は出来ません。
そのため、
最前線でコロナ患者さんに
対応してはいないため、
上記の医師や看護師さん程の
疲弊や緊迫感はないのも事実です。

しかし、
私達が日常で治療している
コロナ以外の癌などの
患者さん達の
入院ベッドがなくなるなど
緊迫感は出てきています。
現在の
急増するコロナ患者さんの人数を見ると
今回の緊急事態宣言は妥当だと考えます。

経済、医療、様々な観点で
それぞれの意見があると思いますが
医療現場からすると、
現在の感染者数と重傷者数の
上昇カーブを見る限り、
我々医療者からすると
何らかの強い対策をとって頂けないと
確実に医療破綻するという
危機感は抱かざるを得ない状況です。

また、
愚痴になってしまいますが
テレビでは
日本医師会が
医療崩壊を訴えていますが、
本当の意味で
コロナと戦っている医師は
日本医師会の
クリニックや診療所の開業医ではなく、
病院の勤務医であり、看護師さんです。

全てではありませんが、
日本医師会に所属する
クリニックや診療所は
発熱があるだけで
受診を拒否してしまう
クリニックや診療所があるため、
拒否された患者さんは
我々の様な救急病院に
コロナではなくても
受診せざるを得ず、
この様な
クリニックや診療所の
診療拒否が医療崩壊の
一端になっているのは
愚痴として綴らせて下さい。

コロナ対応してくれる
クリニックと診療所でも
コロナの検査のみ行い、
患者さんに自宅待機を指示し、
陽性であれば
保健所に連絡するという
流れが一般的です。

コロナ陽性で
酸素投与が必要であったり
重症であると、
病院に入院治療の要請がなされ、
病院で24時間体制で
勤務医や看護師さんが対応にあたります。
この入院して治療するのが
最も大変なのです。

クリニックや診療所で
一時の対応をするのと
入院後に
濃厚にコロナ患者さんと
対応するのでは
明らかに重みが違うのは、
想像して頂けると思います。

本当の意味で疲弊しているのは
日本医師会ではなく
コロナ患者さんと真正面から対峙し
治療やケアを行っている
救急科の医師、集中治療部の医師、
呼吸器科の医師、
専門外であるのにコロナ患者さんの
対応に駆り出されて
必死に対応している若手医師、
コロナ患者さんの
ケアをしている看護師さん、
誰がコロナに
感染しているのかも分からないのに
勇気をもって救急搬送にあたっている
救急隊のみなさん。
これらの
医療スタッフが疲弊しているのです。

私も、
世間で言われるている
医療者に感謝という言葉に
あてはまる資格はありません。

コロナ禍を支えているのは
日本医師会の重鎮や
高名な先生方ではなく、
現場の上記の医療スタッフ達が
現在のコロナ禍を支えているのです。

もしも、
医師会に所属する
クリニックや診療所の先生達が
入院した後の病院での
コロナ患者さんの治療に
少しでも協力してくれれば
医療崩壊も少しは改善するでしょう。
人工呼吸器をつけなければならない
重症患者さんでなければ、
コロナ患者さんは
いわゆる肺炎ですので
決して高度の医療技術が
必要ではないので
日本医師会に所属する
開業医の先生も
対応出来るはずです。

報道では、
日本医師会が
様々な意見を話していますが
本当の意味で
最前線で戦っている医師は
日本医師会ではなく、
病院に勤務する
救急医、集中治療科、
呼吸器科、看護師、
救急隊のスタッフである事は
是非みなさん知っておいて下さい。

本当に必死で
患者対応している医療スタッフは
ゆっくりテレビに
出演している時間はありません。

もしも、
感謝の気持ちを頂けるなら
テレビに出演している
医者や学者ではなく、
本当に頑張っている
現場の医療スタッフに
感謝の気持ちを込めて
頂きたいなと思います。

一般的な勤務医からのコロナ対応の提言

ここからは
私から
コロナ対応の提言をさせて頂きます。

無名のただの勤務医ですが、
どなたか偉い役人や政治家の先生に
読んで頂き、少しでも参考になれば
との思いで現場の意見を綴ります。

【提言①】感染者数ではなく、重症者数をメインに報道する


台湾のように
感染者数が少ない国であれば
感染者数ゼロを目指せますが、
日本はここまで感染者が
増えてしまったので、
もはや感染者ゼロを目指すのは
難しいと考えられます。

感染者ゼロを目指すと
毎日絶望感しか感じません。

重要なのは
医療崩壊は
重症者が増えると起こるという事です。
軽症者がいくら増えても
医療崩壊は起こりません。

感染者の報告を
中等症から重症の
入院治療が必要な人の人数を先に報告し、
次に、参考までに
感染者数の総数を報告するという様に
報道するという事が提案①です。

当初は、
感染者数ゼロを目指していたのですが、
現状残念ながらゼロを目指すフェーズは
過ぎ去ってしまったと思います。

ワクチン開発が進んだ今、
現実的に被害を最小限に抑えるために
目指す指標は感染者数ではなく、
死亡者数だと思います。

死亡者数は
重症、中等症患者の人数に直結するので、
重症者や中等症の人数を
メインに報道する事で、
医療の緊迫感や
コロナで亡くなる危険にさらされている
患者数を日本国民が共有して
イメージする事が出来ると思います。

国民も重症者が
どのくらいの人数がいるのかは
是非気にして頂きたいです。
重症者の人数は
死亡者数と医療崩壊に必ず直結します。
(中等症までは、どこの病院でも
やる気があれば治療できますが、
重症者は専門性の高い限られた
病院でしか治療ができないからです)

感染者数をメインに報道すると
必要以上に
国民の不安を煽ってしまうと考えられます。

【提言②】感染症対策を講じているのに起こった院内感染を、実名で病院報道する意味はない!

これは
声を大にして言いたいです!!!
何故マスコミは
必死にコロナ患者さんを受け入れて
懸命にコロナウイルスと
戦っている病院の実名を
公表するのでしょうか?

コロナ患者さんを受け入れて
治療している限り、
どんなに感染対策をしっかり行っていても、
一定の院内感染や
クラスターのリスクはあります。

必死に、
コロナ患者さんの搬送を受け入れ、
戦っている病院で
院内感染やクラスターが起こると
何故マスコミは、
誰のために、
病院を実名で全国に報道するのでしょうか?

私はコロナ患者さんの
病院の受け入れ拒否が起こる大きな原因が
マスコミの実名報道にあると思っています。

必死にコロナに対応し、
一定の確率で起こり得る
院内感染やクラスターで、
全国放送で犯罪者のように
実名で病院名をあげて、
院内感染やクラスターを起こしたと
マスコミ報道されるのは我慢がなりません。

必死にコロナ対応に協力して、
マスコミに叩かれるなら、
少しでも院内感染を下げるために
コロナ患者さんを
受け入れないようにしようと
思うのは仕方がない事です。

感染症対策を
怠っているなら分かりますが、
感染症対策を順守していて起こった
院内感染やクラスターを、
何故、全国放送で、
実名で病院名を
報道されなければならないのか
私には分かりません。

全医療スタッフが
マスコミの報道姿勢に
怒りを覚えていると思います。

この全国放送で
実名報道されるというストレスが
医療者の一番の
ストレスになっていると思います。
マスコミのみなさんには
是非真剣に一度考えて頂きたいです。


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【提言③】全国にコロナ専門病院を拡充する

我々医療者が
最も疲弊している原因は
コロナ患者さんと
コロナ患者さん以外を
一緒に扱うという事です。

コロナ患者さんに
対応するためガウンを着て、
コロナ患者さん以外に
対応するためガウンを脱いで
アルコール消毒をして、
またコロナ患者さんに
対応するためガウンを着る。

この無限のループに
時間を取られ本当に疲弊します。

また、
自分の少しの体調の異変にも、
非常に過敏になり
非常にストレスになります。
もしも、自分が
無症状のコロナに感染していて
院内の患者さんに
感染させたら申し訳ないです。
また、マスコミに
実名報道されるのではないかなど、
コロナ患者さんと
コロナ以外の患者さんを
一緒に治療する事は
様々なストレスとの闘いになります。

もしも、
コロナ患者さんのみの対応と、
コロナ患者さん以外の対応に
きちんと分かれていれば、
ストレスは大幅に軽減されると思います。

私は、
コロナ専門病院が絶対に必要だと思います。
ただし、
コロナ専門病院は、
働く医療スタッフに
多大なデメリットが伴います。

最大のデメリットは
コロナ専門病院に勤務している事で、
プライベートで家族や友人に
コロナを感染させるリスクと
戦わないといけない事です。

大阪で
コロナ専門病院の看護師さんが
大量に退職したとの報道がありましたが
気持ちは良く分かります。
このようなリスクを取って
コロナ専門病院で働くメリットが
医療者には全くないからです。

以前の
コロナのブログにも書きましたが
コロナ専門病院で働くスタッフは
感染しても重症化しない若い人を中心に、
救急科、集中治療科、呼吸器科の医師と
看護さん、技師さんを
配置するしかないのです。

この時に
コロナ専門病院に参加してくれる医療者に
名誉や金銭面など多方面から、
国や自治体が、
医療者が働きたいと思うような
メリットを与えて頂きたいのです。
医療者に感謝する
航空機の飛行、花火なども良いでしょう。
しかし、実際に
現状を考えている医療スタッフからすれば
飛行機や花火は全く嬉しくありません。
それよりも、
実のある医療対策に
費用を当てて頂きたいのです。
その一つに、
コロナ専門病院の拡充が
私は必要だと思います。

【提言④】コロナ感染症のゴール設定を「重症化しやすい高齢者のワクチン接種終了」にする

現在、
コロナワクチンの開発がなされ、
みんながコロナ終焉を
期待していると思いますが、
ワクチンの最も重要な役割は
感染はするけど重症化しないという
役割になる可能性が高いです。

ワクチンには
感染を防ぐ作用と、
重症化させない作用の
二種類がありますが、
インフルエンザワクチンは
感染は完全には防げないが、
重症化させないというワクチンです。

コロナも
インフルエンザのように
変異株が出現している事から
コロナワクチンも
インフルエンザワクチン同様に
感染は防げないが
重症化させないという事が
主体のワクチンになる可能性があります。

重症化しないというのは、
死亡者数を減らし、
医療崩壊を防ぐのに
非常に重要な事ではありますが、
ワクチンを接種した人も
コロナ感染は起こり、
人に感染させるリスクが
なくなるわけではないというのが
忘れてはならない注意点です。

もしも、
コロナワクチンが
感染予防ではなく、
重症化予防のワクチンであると、
国民のワクチンへの
過度の期待は良くありません。

ワクチン接種したのに、
コロナに感染したと
大騒ぎになるのが目に見えます。

前述したように
大事な事は重症者を減らす事であるので
感染しても重症化しないのは
非常に重要な話です。

それを踏まえて、
重症化するのは
高齢者が殆どである事は分かっています。
もしも、
高齢者にワクチン接種が行きわたれば、
コロナは本当に
ただの風邪になる可能性があるのです。

最近報道で
旅行関係の人にワクチン接種を
優先するという報道がありますが、
私は大反対です。

何よりも先に
高齢者へのワクチン接種が急務だと考えます。
もちろん
ワクチン接種の副作用は
考慮する必要があります。
メリット、デメリットを
十分に科学的に考え、
高齢者のワクチン接種を
可及的速やかに検討するべきだと思います。

出口が見えないで
ひたすらコロナ禍を生活するのは辛いです。
私が今見ている出口は
高齢者にコロナワクチンが行き渡った時に
コロナの自粛が
終わるのではという明るい希望です。

【提言⑤】経済よりも医療崩壊を最優先に考える。Go to キャンペーンよりもコロナ専門病院を。

今回の緊急事態宣言で明確になったのが、
経済を最優先を考えても、
うまくいかないという事です。
結局、緊急事態宣言が
必要になりましたし、
医療崩壊も目前です。

同じことを繰り返させないために
私から提言をさせて頂きます。

経済も人が生きて行くために
非常に重要ですので軽視してはいけません。

しかし、
経済から物事を考えても
うまくいかない事が確認されました。
今回の緊急事態宣言で、
感染者数が落ち着いたら、
再度Go to キャンペーンではなく、
その費用を
コロナ専門病院の拡充に
あてて頂きたいと思います。

コロナ専門病院は
最新の設備は必要ありません。
国や自治体が一定の期間の
有志の病院や経営難の病院を借りて、
コロナ終息まで
コロナ専門病院にすれば良いと思います。

私は前回の緊急事態宣言から
今回の宣言までの間に
コロナ対応の専門病院を増やせななったのが
政策の最大の失敗であったと考えます。

のど元過ぎれば熱さ忘れるで、
冬場が勝負と言われていても
真剣に対策を講じれなかったのが
政治と我々医療人の失敗であったと考えます。

私は、
コロナと経済の両立は
コロナの入院ベッド数に依存すると思います。

極論を言ってしまえば、
コロナの治療ベッド数と
治療スタッフが足りていれば、
どんなにコロナ患者さんが増えても
医療崩壊は起こりません。

医療崩壊が起こらない限りは
経済も回せます。
つまり、経済を回し続けるためには、
コロナ治療が出来る病院のベッド数と
医療スタッフの拡充が
最も必要と考えられるのです。

そのためには、
現状のように
病院の一部のベッドを
コロナ対応にするよりも、
病院全体を
コロナ専用にした方が
圧倒的にコロナ対応できる
ベッド数が増えるのです。

後は、
コロナ専門病院で働くスタッフの
それぞれにあった
メリット(名誉や給料など)を
提示するしかありません。
これは政治の決断と
我々勤務医、日本医師会も含めた
医療スタッフの協力も必要です。
日本医師会に所属する開業医の先生も
クリニックのシャッターを占めたら
勤務終了ではなく、
時間の可能な限り、
コロナ専門病院の勤務に
貢献するなどの協力も必要です。
もちろん、勤務医も協力します。
言うは易く行うは難しですが、
やるしかないのです。

これまで、
少なくとも現場では
コロナ専門病院を拡充する政策を
耳にした事はありません。
高齢者に副作用の少ないワクチンが
行きわたるまでの時間が、
コロナ終焉までの時間と思います。
二度目の緊急事態宣言で
仮に感染者数が終息しても、
コロナ終焉まで想定できる
コロナ専門病院のベッド数の拡充を
政治主導で検討頂きたいと思います。

【提言⑥】コロナワクチンだけでなく、コロナの特効薬の開発も必要

最近、コロナワクチンの事で
世間は盛り上がっていますが、
ワクチンよりも速攻性があり
効果が高いのが特効薬です。

世界中の研究者のみなさんには、
ワクチン開発だけで満足する事なく、
是非可能な限り早く
特効薬の開発に成功頂きたいです。

しかし、
これは残念ながら
我々には祈る事しか出来ません。

【提言⑦】今後のイギリスが、日本の未来と考える

イギリスは少し前から
感染者数が急増し
緊迫感が増し、
ついにロックダウンに入りました。

しかし、
その頃の日本は、
イギリスの感染者数は他国の事と
甘い気持ちで
Go to トラベルやGo to イートと
第3波とは無縁に暮らしていました。

現在、イギリスは
感染者が激増する中
ワクチン接種が始まっています。

イギリスが
ワクチン接種で
コロナを抑え込めるなら
日本にも同様の明るい未来が
待っているでしょう。

逆にワクチン接種で
コロナを抑え込めないなら
日本にも同様の暗い未来が
待っているでしょう。

イギリスの今後の行方を
日本は真剣に考え
今後、日本がどの様に
対応するべきなのかを
前もって具体的に
協議していくべきだと思います。

以上が無名で何の力もない
現場の勤務医からの提言です。
少しでも日本のお役に立てたらの思いで
ブログに綴ってみました。
どこかの
偉い政治家や先生に
参考にして頂けたら嬉しい
現場の声です。。。


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