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私はいわゆる医者家系の生まれです。
両親、祖父母は、決して認めませんが、
私が医師になるように率先して
レールを引いておりました(苦笑)。
自己紹介のブログでも書きましたが、
受験生の頃は、
とにかく医師になるのが嫌でした。
それはこの世で、
最も大切な命を預かる仕事だからです。
最も大事な命を預かるプレッシャーは
医者になった今でも重圧です。
それでも私は医師になり、
医師になった後は
人生のすべてを捧げて
たくさんの患者さんの命を
守っているつもりです。
医師に憧れて医師になった人達よりも
よほど自分の方が患者さんの命を
守っていると思う事は多々あります。
今回は、
医学部を目指している受験生達に
自分なりのエールを送ります。
少しブラックなエールです(苦笑)。
でも現実的なエールです(笑)。
【目次】
#1 あなたが医師になりたいのは何故ですか?
#2 医師でなければ、あなたの希望は叶いませんか?
#3 受験は戦いです。あなたの欲で戦う事も必要です
#4 頑張れ受験生!応援しています!!
#1 あなたが医者になりたいのは何故ですか?
医者は人の命を預かる
重圧を背負う仕事です。
皮膚科や眼科などは関係ないと
思うかもしれませんが、
皮膚の癌であったり、失明であったり、
どの科を専門にしても、
そのプレッシャーから逃れる事は出来ません。
あなたは何故医者になりたいのですか?
私は、親や身内に医師がいないのに
自ら医者になりたいと思う人は
よほど自分に自信がある人だなあと
思っていた時期があります(苦笑)。
あなたのミスで
人の命がなくなる可能性があるのが医師です。
自らの意思で他人の命を預かろうとするのは
自信過剰ではないのかと思っていました。
あたりまえかもしれませんが
ドラマ、漫画、映画と
現実の医師では、全く事情が違います。
本当の意味での違いは、
実際に医師になって初めて分かりました。
これは医師全員が同じだと思います。
実際に医師になるまで
医師とはどの様な職業かは
みんな分からないのです。
あなたの親や親戚が医師であったとしても
決してあながイメージした通りの
職業ではないはずです。
それは匿名のブログでも100%を
あなたに伝える事は出来ません。
心の底からやりがいがあり、
充実感もあり、
しかし、時に残酷で、
苦しく、もがき苦しむ、
両面を備えた職業です。
ここまで命の大切さを説き
医学部を目指しているあなたには
幾分プレッシャーになったかと思います。
今、医師として
必死に患者さんと向き合っている私から
あなたへのメッセージです。
命を扱うプレッシャーは是非感じて下さい。
プレッシャーを感じる人は
医師になった後に、そのプレッシャーが
あなたの武器へと変わります。
医師になってから、
周りの医師を見渡すと
命を大切と思う気持ちは
医師それぞれで随分違うのだなと
思う事が多々あります。
何の迷いもなく医師になろうと思う人は
命を軽く見ている可能性があると思います。
その様な人は気軽に医師として
働く事が出来るかもしれませんが
決して良い医師にはなれません。
もしも、あなたが
命のプレッシャーに悩んでいるのなら
是非あなたは医師になってください。
その悩みは医師になった後に
武器に変わります。
難しい手術で苦しくなった時、
多忙で苦しくなった時、
様々なつらい時に
命は大切だというプレッシャーが
あなたの集中力を維持してくれます。
医師は患者さんの命を預かる職業です。
あなたは何故、医師を目指すのですか?
#2 医師でなければ、あなたの希望は叶いませんか?
私の予備校時代に受験生仲間と
何故医師になりたいかを話し合うと
① 親が医者だからレールに乗っている
② 自分が重病にかかった事があり、
医師に命を救われた事があるので
今度は自分が人を助けてあげたい。
③ 医師になって人を助けてあげたい。
人の役に立つ職業に就きたい。
④ 成績が良いから、なんとなく選んだ。
この4パターンの返答であった気がします。
①は私です(苦笑)。
②と④も少なかったですが
一定数は存在しました。
そして意外と思われるかと思いますが
この中で
最も医学部に行くことが出来なかったのは
③の人への貢献を
モチベーションとしていた人達でした。
医師の適正としては
③>②>①、④の順に適正があると思います。
③の人は本当に人柄が良く、
医師になったら良い医師に
なるだろうなと思う人ばかりでした。
しかし、現実は残酷で
③の人達で医師になったのは少数でした。
何故でしょう?
まずは①は意味合いが違うので
先に説明してしまいます。
①が医師になった人数が多かったのは
単純に親の財力です。
医学部には国公立と私立の2種類あり、
私立は国公立よりも
偏差値が低く合格しやすいです。
(それでも、
他の学部よりは難しいですが。。)
私は中高一貫の私立の学校で
何もしなくても進級できたので
のんびり過ごしてしまい
勉強を全くしてこなかったので
本当に受験勉強を始めたのは
浪人生になってからです。
国公立ではセンター試験があるため
英数国理社と多数の教科を
勉強する必要があります。
私立は英数理の3-4教科で済むので
半分量の勉強で済みます。
そのため、
国公立の医学部に合格するのは
中学、高校の時に
真面目に勉強してきた人や
よほどの天才でないと難しいと考えられます。
つまり、私立の医学部の方が
合格の可能性は高くなるのです。
しかし、私立は学費は高いです。
かくいう私も私立の医学部の出身です。
私の頃は色々な私立の医学部がありましたが
平均して年間で300-500万程度の学費を
6年間払う必要がありました。
(両親には本当に感謝です。。。)
また、私立には一定の割合で、
コネ(裏口入学)が存在し、
親がその学校の卒業生であったり、
教授の知り合いであったりすると
コネを利用して合格する事が出来たからです。
(ただし、あくまで聞いた話です。
しかし、実際に何故この人が
合格したのだろうという人も
見たことはあります。
最近、裏口入学が
世間的に大問題となったので
今後はなくなると思いますが。。。)
つまり①は本人の能力、努力だけでなく、
親の財力やコネの力が加わる事で
医学部に合格する事が出来るのです。
④の人達は中学、高校と真面目に
コツコツと勉強をしてきた頭の良い人達です。
その甲斐あって多数科目ある国公立、
特に地方の国公立に
合格していく人が多かったです。
首都圏は真面目さだけで
合格するのは難しいですが
地方の国公立であれば
真面目に勉強してきた人は
合格して報われるケースが多いです。
大事なのは
②、③の違いは何かということです。
私が思う②と③の一番の違いは
断固たる決意の違いです。
スラムダンクというバスケ漫画で
安西先生の言っている”断固たる決意です”
②は自分の実体験を経て、
医師でしか自分の夢を実現できません。
③は人の役に立つ事は、
薬剤師、リハビリ、カウンセラーなど
医師でなくても人の役に立つことが
出来るという点で曖昧です。
受験は決して楽しい事だけではありません。
本当につらい時期に、
医師でなくても
人の役に立てるという気持ちが
少しでも生じると
僅かなところで差がでてしまいます。
特に国公立の医学部は
80人程度の合格者しかでませんので、
そこに食い込むためには、
医師になる事でしか
夢は実現できないという
断固たるモチベーションが必要です。
②は自分の重病を
医師が直してくれたという実体験があり、
医師になる事でしか、
自分の理想を体現できないという
断固たるモチベーションがあります。
しかし、
③はモチベーションが
他者への貢献がベースです。
本当に苦しい時に他人のためだけに、
抽象的な世のため人のための
純粋な精神のみで
乗り切る事は出来るでしょうか。
少なくとも私なら出来ません。
私の周りで最終的に医学部に合格した人達は
自己顕示欲が強く、欲求が強く、
他者よりも自分を
優先するタイプが多かったです。
実際に医学部に入り、医者になってみると、
よりその傾向は顕著で
医学界で成功している人達は
高い確率で性格は悪いと思います(苦笑)。
私も純粋な精神と腹黒い精神の
両面を持ち合わせています(笑)。
医学部を目指しているあなた。
あなたには医師にならなければならない
断固たるモチベーションがありますか?
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#3 受験は戦いです。あなたの欲で戦う事も必要です
私は両親、祖母から、医者は素晴らしい。
人を助けて、感謝される仕事で、
世のため人のために貢献できる一番の職業だと
小さい頃から言われて育ちました。
小さい頃から両親、祖父母は
私を医者にしたいという思いが
強かったのでしょう。
しかし、思春期で
むしろ不良に憧れていた私には
このような純粋な言葉は、
全く響かなかったのです(苦笑)。
芸能界、社長、スポーツ選手など
花形の職業が
光り輝いて見えました。
若い頃はみんなそうだと思います。
ここで私の受験時代の話をさせて頂きます。
どうしても医者になりたくなかった私は、
親の資金援助で
受験をするという名の下に
東京で一人暮らしをはじめ
受験生とは名ばかりの
フリーター生活をしておりました。
本当にどうしようもない
バカ息子でした(反省)。
その当時、予備校の医学部コースには
私と同様に
医者、歯医者の息子がたくさんいて
そこで仲間をつくり、麻雀やバイト、
夜の公園で将来の夢を語り合うなど
人生最大の青春を謳歌していました。
思春期で感情豊かで何をしていても楽しく
人生で一番甘く切ない
大切な時間であったと思います。
しかし、そうこうしているうちに
仲間の人数が減っていきます。
決して
医学部に合格していったのではありません。
みんな、他学部に進路を変更して
去って行ってしまうのです。
私は当時、本当にどうしようない男で、
やりたい事が全く無かったので、
他学部に進学する事すら
自分の選択肢に入りませんでした。
小さい頃から
医師のレールをしかれていた私は
自分がなりたい職業を
真剣に考えた事がなく、
なりたい職業はないけれど、
医師にはなりたくないという
何がなんだか分からない状況でありました。
そうこうしているうちに、
浪人生活が数年が経過し、
気がつくと周りに浪人の仲間は
いなくなっていました。
初めて孤独を感じて、人生が怖くなりました。
仲間と群れて遊んでいた時は
現実が分からなくなっていたのです。
浪人が長くなった私は、
他学部の有名大学に進学したところで
卒業後は大手の企業は就職出来ません。
親のすねをかじりぬくぬく生きてきた私は、
私の人生で初めて
追い込まれるところまで追い込まれたのです。
ここまできて初めて
私の気持ちの中で変化が起こります。
医者は自分のせいで
人の命や人生が変わってしまう
重圧を背負う仕事。
でも、他人の人生の前に
まずは自分の人生。
大手の企業に
就職することは出来なくなった。
自分に何が出来る?才能はまるで無い。
医者は国家資格で年齢に関係なく、
医者になれれば、
一定以上の安定した収入を得る事が出来る。
親も見放さず医者への道を強力してくれる。
自分は決して悪人ではない。
医者になる資格はあるだろう。
何よりも多浪生となった私は
医学部以外に進学出来る道がない!
医者になるしか生きる道はない!!
追い込まれるまで、追い込まれた私は
人生で初めて
医者になろうと決断したのです。
さらに
私がお金持ちになるのが夢という
とても低俗な人間だった事も
強いモチベーションになりました(苦笑)。
本当に、どうしようもない人間です(笑)。
しかし、
いくら彼女が綺麗で素敵でも、
決してそれだけでは、
ご飯を食べて、住まいを持って
幸せに暮らす事は出来ません。
逆にお金があれば、
ご飯が食べれて、住まいを持てて、
綺麗な彼女も作れるかもしれません。
医者になって良い暮らしをしよう!!
医者の安定した収入が
私の強いモチベーションになりました。
(しかし、実際に医者になってみると
収入は想像していたよりも
低かったです。(苦笑))
ここまで追い込まれて
私は気持ちを入れ替える事が出来て
自分なりに私立の医学部に
合格するだけの努力をする事が出来ました。
(当時は結構努力したつもりでしたが、
医学部に入った後の努力に比べたら
努力のうちに入りませんでした(汗)
医学部の大学生活は
想像を絶するくらい地獄でした。。)
心を入れ替えてからは2年間で
私立の医学部に合格することが出来ました。
私の実体験から何が言いたいかと言うと
人間のパワーの源には二種類あって
一つ目が、自分の欲望のパワー。
二つ目が、他者に貢献する
奉仕のパワーであると思います。
受験はあくまで戦いです。
この戦いに有利なのは、
一つ目の
自分の欲望と医学部合格を
結びつける欲望のパワーだと思います。
私は、いくら親から
世のため、人のためと
二つ目の他者への貢献で
医学部を勧められても
辛い受験戦争を
勝ち抜く事ができませんでしたが、
追い込まれて自分が生きていくため、
自分が良い生活をするためと
自分の欲望に
医学部が結びついた時に初めて
受験を勝ち抜く事が出来ました。
やはり、
人間は自分に余裕があるときは
他者への貢献が
エネルギーやモチベーションになりますが
受験などの自分に余裕がない苦しい時に
他者への貢献という綺麗事だけで
勝ちに抜く事は難しいのでしょう。
前述した他者への貢献を
一番のモチベーションにした人が
医学部に合格しにくかった理由が
ここにあると思います。
ただし、ここで断っておきますが
自分の欲望のみで、
他者への貢献が全くない人は、
受験は合格するかもしれませんが
絶対に良い医者にはなれませんし、
医者として成功はしないでしょう。
それだけは間違いありません。
私も、医師の収入をモチベーションに
受験を勝ち抜きましたが、
現在、医師として
必死に頑張っているのは
もちろん自分の欲もありますが、
患者さんを助けたいという、
他者への貢献の
モチベーションが大きいです。
自分の欲望だけでは
妥協してしまいそうな事も
他者への貢献のためには
妥協できなくなるのです。
#4 頑張れ受験生!応援しています!!
いま、このブログを読んでいるあなたは
どんな状況にありますか?
私は医者の中でも
医師になるまでに
紆余曲折があった方だと思います。
どうしようもなく駄目な
多浪生時代もありました(反省)。
わざわざブログに書かなくても良い
親のすねをかじっていた話や
お金の話、
読む方にとっては
軽蔑される話もあえて書きました。
その理由は、
受験生の中に、
私と同じように医者家系で
医者への道を強制されていたり、
自分は医者の資格が
あるのだろうかと悩んでいたり、
多浪生であったりと様々な悩みを
抱えている人も多いと思ったからです。
そんな悩みを抱えている人に伝えます。
あなたが、
人の命は
この世で一番大切なものであるという
当たり前の感覚があるのであれば
是非医学部を受験して合格して下さい。
私は聖人君子でないですし、
医者への憧れなど何もなく医師になりました。
決して頭は良くないですし、
能力もありません。
ただ、命は大切であるという
価値観は強く持っていました。
医者になってみると、
命の重みをあまり感じていないのかなと
思う医者が一定数います。
勉強が出来て成績が良く、
医師の安定した収入だけを考えて
医師になったのでしょう。
そのような医師は
私よりも
頭が良く、才能がある人が多いです。
しかし、決して患者さんから
必要とされているとは思えません。
その様な医師の外来は
受診する患者さんの人数が少ないです。
患者さんの命は
かけがえのないものだという
気持ちのみで診療してる
何の能力のない私の外来の予約は
3ヶ月待ちとなっています。
受験生のみなさん。
あなた方の年代は
多感で色々な事を考えると思います。
しかし、色々悩まないで大丈夫です。
命を預かるプレッシャーは
十分感じて下さい。
そのプレッシャーは
医師になった後に
あなたの武器へと変わります。
あなたが医者にならなければならない
絶対的なモチベーションを
断固たる決意を見つけてください。
そして、自分のために、
自分の欲望のために受験して下さい。
そして医師になった後は
患者さんに心からの貢献をして下さい。
医師になる唯一の適正は
命はこの世で一番大切なものだと
思えることだけだと思います。
医学部を目指しているみなさん
是非是非医学部に合格してください。
このブログが少しでも受験生の悩みを解決し
合格に向かって邁進して頂けたら嬉しいです。
受験生のみなさん頑張ってください!
ドクター未来は
陰ながらあなたを応援しています!!
ここまで読んでくれてありがとう。
また、次回お会いしましょう!
ブログの更新や
日々の役立つ情報を
公開しているので
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