#コロナ専門病院の開設に賛成します

#新型ウイルス感染症

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東京都で
新型ウイルス感染症の
専門病院が
2施設開設するとの報道を拝見しました。
私は当初より
新型ウイルスの専門病院が
必要であると考えているので
報道を前向きにとらえております。

今回は
私が個人的に考えている
新型ウイルス感染症に対する
医療機関の対応を
提案したいと思います。

ただし、
私は消化器内科が専門です。
感染症は専門外ですので、
今回はあくまで
私の個人的な意見と思ってください。

【目次】

#1 なぜ新型ウイルス専門病院が必要か?

#2 新型ウイルス専門病院の開設が難しい理由?


#3 ドクター未来の提案

#1 なぜ新型ウイルス専門病院が必要か?

みなさんは新型ウイルス禍を
いかがお過ごしでしょうか。
2020年が
この様な事態に陥るとは
年始には全く想像する事が
出来ませんでしたよね。

今回は
新型ウイルスの
専門病院に関して
是非実現させて頂きたいとの思いを
ブログに綴ります。

感染症とは
人から人にウイルスや細菌が
感染していく病気を言います。
そのため、
ある程度大きい総合病院では、
感染予防対策を講じて
感染症患者さんを治療しております。
当院にも
ICT(Infection Control Team:感染対策チーム)という
チームが存在し、
院内感染を防ぐための
医師、看護師、薬剤師、技師らの
スペシャリストがチームとして
感染対策を講じています。

さらに病院によっては、
感染症指定医療機関に
指定されている病院があり、
隔離された
感染症病棟のある病院が存在します。
特に第二種感染症医療機関は、
二種感染症(結核、重症急性呼吸器疾患(SARS)、
中東呼吸器症候群(MERS)など)を
治療する感染病棟を有する病院です。
日本全国に計351医療機関があり、
1758のベッド数があるようです。

新型ウイルス感染症は
指定感染症に指定されている病気なので、
本来であれば
感染症指定医療機関の
隔離された感染症病棟に入院し
治療を受ける事が理想です。
しかし、
新型ウイルス感染が
爆発的に増加したため、
感染症指定医療機関だけで
新型ウイルスを対応するという理想は、
早々に崩れ去ってしまいました。
対応可能な病院は
感染症指定病院でなくても
入院治療に協力する事に
変更になったのです。

神奈川でも感染症指定病院で
医師や看護師に
新型ウイルスのクラスターが発生したため、
入院出来なくなった
新型ウイルス患者さんが
当院でも治療する事となりました。
当院は
隔離された感染症病棟はありませんので、
最善の策を講じて
新型ウイルス患者さんの治療にあたり
幸い院内感染は起こりませんでした。

現在の
新型ウイルス患者さんの人数では
感染症指定病院のみでは
対応出来ないことは自明です。
軽症の患者さんは
ホテルで良いと思いますが、
肺の機能が低下し
酸素投与が必要な患者さんは、
重症でなくても
どうしても入院治療が必要となります。
現在では
隔離された感染症病棟がなくても、
一定の大きな病院は
感染症対策の最善をつくし、
必死に、
ある意味あきらめの境地で
新型ウイルス患者さんの治療をしています。

しかし、
隔離された感染症病棟がない病院で
新型ウイルス患者さんの
入院治療をすることは
決して良い事とは思いません。
常に他の入院患者さんに
院内感染を起こすリスクがあるからです。
他の入院患者さんは
様々な重篤な基礎疾患を
抱えた患者さんがほとんどなので
万が一にも新型ウイルス感染をしたら
重症化するリスクが高いです。
町の一般の、特に若い人たちの感染とは意味合いが違うのです。

私は普段、
風邪やインフルエンザに感染しても
気合いで治す旧式の人間です(笑)。
薬を飲むと
ウイルスや細菌に負けた気がするので
自分の免疫で戦います(笑)。
そんな旧式の私ですが、
新型ウイルス感染は
やはり避けたいと考えます。
それは新型ウイルスに
感染する事が怖いのではなく、
自分が感染した事により、
私が関わる患者さんや家族に、
私を介して新型ウイルスを
感染させてしまう事が
非常に怖いのです。
自分がかかる事に関しては
それほど恐怖はありません。
私は40代で、たばこは吸わず、
基礎疾患はありませんので
新型ウイルスが
重症化する可能性は低いと思います。
しかし、
私が新型ウイルスに感染することで
患者さんや家族を巻き込む事は
非常に怖いです。
私が内視鏡治療を予定している
癌患者さんは
常に2-3ヶ月先まで予定が入っています。
私が新型ウイルスにかかると、
その患者さんの治療は
どうしたら良いのでしょう。
誰か代わりに治療を
対応してくれるかもしれませんが、
私を信じて治療を受けると
決心頂いた患者さんの気持ちを
いつも私は奇跡と思い、
その気持ちに応えるように
治療を行っています。
私に命を預けるという決断に対し
全力で応えるように治療しています。
患者さんの期待に応えるためにも
私は新型ウイルスに感染しないように
細心の注意を払っています。

私は感染症が専門でないので、
感染症対策の
スペシャリストではありません。
私から他者に新型ウイルスを
感染させてしまうことが非常に怖いです。
感染症を専門とする医師は、
感染のスペシャリストではないが故の
怖さを本当に深い意味としては
分かって頂けてない印象を持ちます。
当院にも
非常に優秀な感染症専門の医師がおりますが、
科学的に対応していれば
新型ウイルスは怖くないとしきりに言います。
しかし、私からすれば
新型ウイルスが私の主戦場ではなく、
癌であったり、
消化器の難病が主戦場です。
新型ウイルスの傍らで
癌や難病と向き合うのは、
私の大事な患者さんのためにも
非常に精神をすり減らすのです。
どんなに感染症対策を講じていても
絶対はないのですから。

また、
患者さんの立場からしても、
新型ウイルス患者さんが
近くにいる病室で治療を受ける事は
精神的な負担になると思います。
逆に
新型ウイルス患者さんからしても、
自分のせいで
基礎疾患のある患者さんを
重症化させてしまう可能性があると
不安に思いながら治療を受ける事は、
やはり精神的負担になると思います。

それ以外にも
一般病院で新型ウイルスと
新型ウイルス以外の患者さんを
一緒に治療する事は様々な弊害があります。
患者さんが
クリニックや病院を受診したくなくなるのは
当たり前ですし、
新型ウイルス受け入れている医療機関の
収益が下がるのは予想されていた事です。
新型ウイルス患者さんを
受け入れている病院で
院内感染が一定の確率で起こる事は
避けがたい事だと思います。

そもそも、
専門病院でない病院が
必死に新型ウイルス患者さんを
受け入れ治療して
一定の確率で起こりえる
院内感染が起こると、
病院名まで公表されて
マスコミに叩かれる今の状況には
非常に違和感を覚えています。

私は、理想的には
新型ウイルス患者さんと
一般患者さんを完全に分離して
診察や治療をする事が
理想であると考えます。
医療スタッフも
新型ウイルス患者さんを
対応するスタッフは
一般患者さんを
対応しないようにすることが
理想と考えます。
病院によっては、
そのようにしている病院も
あるかもしれませんが
病院の設備やスタッフの人数からは、
殆どの病院は
完全分離は出来ていないと思います。
新型ウイルス患者さんの
完全な分離は
様々な観点から非常に重要で、
そのために最も良い方法は
新型ウイルス専門病医院であると考えます。

この事は
当初より考えておりましたし、
私以外でも
新型ウイルス感染症の専門病院が
必要と考えていた医師は多かったと思います。
では、何故、
新型ウイルス感染症の
専門病院の開設が
難しいのかを解説していきます。


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#2 新型ウイルス専門病院の開設が難しい理由?

何故、
新型ウイルス専門病院が
なかなか出来なかったのでしょう。
私は一般的な
勤務医に過ぎませんので、
ここからは推測も含みますが、
私なりの考えを
書いていこうと思います。

まず病院は
建物自体に
様々な設備、環境、制約が存在します。
そのため飲食店とは違い、
空き物件に直ちに病院を開業するのは
現実的には難しいと考えられます。
人工呼吸器などの医療設備は、
突然停電しても医療器具が停止しないように、
院内に自家発電を完備している事が必要です。
どこまでの設備を完備したかは分かりませんが
武漢に10日間で、新型ウイルス専門病院を
開設した中国はさすがです。
国土が大きく土地が利用しやすい、
共産党の統制など
日本とは違うお国柄もあるのでしょう。

日本は、
都心に突然
巨大な新型ウイルス専門病院を
建設する巨大な更地などないでしょうし
近隣の住民の反対もあるでしょう。
都内で新たに
新型ウイルス専門病院を開設するには
現実的には
大きな総合病院が偶然にも閉院し、
その病院の機能が残っているうちに
国や都が買い取るしかないでしょう。
また、現在稼働している病院を
新型ウイルス専門病院に変える
アイデアもあるでしょうが、
病院には新型ウイルス以外の
一般の患者さんが存在します。
もしも、突然病院が
新型ウイルス専門病院に
変わってしまったら、
その病院に
通院していた患者さんや
入院患者さんが路頭に迷います。

もう一つの問題は
働き手の問題です。
病院には医師、看護師、薬剤師、
事務、清掃、警備員など
様々な職種が存在します。
医師、看護師、薬剤師は、
熱い志で新型ウイルス専門病院で
勤務を希望する人も
一定数は必ずいると思います。
しかし、
事務や清掃や警備員は
実際のお仕事が
直接的に新型ウイルス専門病院で
反映される訳ではないので、
積極的に希望する人は
少ないかもしれません。
医療スタッフにも家族がいます。
自分の熱い志で
家族を感染させるリスクがあるのです。
現在稼働している病院を
新型ウイルス専門病院に
変える考えもありますが、
どんなに病院の上層部が
働き手全員が
快く変更に応じてくれたと
言っていても
必ず一定数は
納得せず仕方なく
働いている人たちがいるでしょう。
嫌々働いているのは
患者さんに伝わります。
患者さんも決して
満足いく治療は受けれないでしょう。

また、
新型ウイルス専門病院を開設し、
新型ウイルスが疑われる患者さんを
すべて新型ウイルス専門病院が
対応するようになっても、
無症状の患者さんや
新型ウイルスと
考えられていなかった患者さんが
意図せずに
一般病院を受診してしまう
リスクは変わりません。
現在であれば
緊張感をもって
日常診療にあったている
新型ウイルス受け入れ病院が、
新型ウイルス専門病院が
出来ることによる気の緩みから、
一般病院で新型ウイルスの院内感染が
増えるリスクも否定は出来ません。
また、患者さんも
よほど自分が
新型ウイルスにかかっている可能性が
高いと思わないと、
新型ウイルスの感染リスクが
日本で一番高い場所になる
新型ウイルス専門病医院を
患者さんも
自ら受診する事はないでしょう。

新型ウイルス専門病院は
開設にもハードルがありますが
開設できても
全てが解決出来る訳ではないのが
新型ウイルス問題の難しさなのでしょう。

#3 ドクター未来の提案

最後に私、ドクター未来からの
新型ウイルス専門病院への提案です。

まずは病院選びですが、
やはり閉院したばかりの
一定の設備を備えた病院を
国や県が買い取り、
新型ウイルス専門病院にするのが
最も妥当な意見でしょう。

ただし、日本全国どこでにでも
その様な案件がある訳ではないので
新型ウイルス禍で経営が困難となり、
診療を続ける事が
出来なくなっている病院を
短期的に国や県が
経営を引き受けるのも
一つの良い方法かと思います。
そのような病院なら
全国でも多数存在すると思います。
新型ウイルスが
現在のような
指定感染症として存在する期間は
ワクチンや特効薬が出来る
1-2年程度の期間と考えるので、
その短期間のみ
国や県が資金を拠出するのは
可能なのではないかと考えます。
また、
新型ウイルス専門病院とすれば、
近隣の新型ウイルス患者さんが
集中して集まるため
採算はとれるのではないかと考えます。

国と県が率先して
新型ウイルス病院を確保したら、
働き手は、
やはり有志で選ぶべきだと思います。
経営難の病院を買い取り
新型ウイルス専門病院に
変更する時でも、
必ず職員自らが
新型ウイルス専門病院で働くかを
選択する自由を残すべきです。
私の病院は
ある日突然、職員に相談もなく
一部のフロアを
新型ウイルス病棟にすると
お達しがありました。
新型ウイルスに
苦しむ日本人のために
力を合わせて
頑張ってほしいとの事でした。
事前に何の相談もなく、
病院の上層部のみで話し合い、
突然の決定事項として
職員に通達されました。
院長、副院長、
アドバザー役の感染症科の先生、
看護師長などの上層部の会議のみで
短期間で決定事項となりました。
直接、顔を合わせての
話はありませんでした。
もちろん
県の強い意向も
あったと聞いています。

我々医療者は、
患者さんのためなら
自己犠牲は構わないという
気持ちがどこかにあります。
そのため、
突然の決定に
辞めるスタッフはごく少数でした。
医療スタッフの精神を
称えたいという誇りの反面、
何の相談もなしに医療スタッフを
単なるコマのように扱う上層部への
不満も入れ混じる複雑な気持ちでした。

しかし、
その後にある記事で
他病院の清掃のスタッフの思いを
掲載している記事を読みました。
その記事では、
新型ウイルス患者さんの
ベッドメイキング、洗濯など
清掃スタッフの感染リスクの高さを
警鐘すると同時に、
病院は
清掃スタッフに対する
気遣いは何もなく、
感染対策の指導もなく、
医師や看護師には
ボーナスがでるのに
清掃スタッフには
ボーナスもないと
切実な訴えの
記載がされていました。
この記事を読み、
自分が恥ずかしくなりました。
自分は上層部に対する不満を持ち、
働くスタッフや患者さんの事を
考えていたつもりですが
清掃スタッフからすれば
私も上層部も何ら変わりないように
見えていたのです。

もしも、
一般病院を
新型ウイルス専門病院に変えるなら、
是非、全職員に
自らが残って働くかを選択する決定権を
与える事が重要と考えます。

そこで、
有志の医療スタッフの集め方ですが
やはり、ある程度若い
健康なスタッフを
集めるべきと考えます。
新型ウイルス専門病院で働く事は
感染リスクと表裏一体です。
そのため
50歳以下の医療スタッフを
中心に集めるべきです。
また、スタッフの家族構成も大事です。
同居している方に
高齢者や重篤な基礎疾患がある家族が
いない方が良いですし、
もしも、
その様な方がいるのなら、
スタッフに専用の居住を提供するなどの
工夫が必要です。
一定の年齢からは
重症化のリスクがあります。
高齢であったり、
基礎疾患のある方は
熱い志があっても
お断りする方が良いと思います。

また、
有志で集まってくれる
医療スタッフに対する
気遣いも大事にするべきです。
集まってくれるスタッフは、
それぞれに
モチベーションがあると思います。
社会貢献、充実感、給料、自己満足、
新型ウイルスに対する探究心であったり、
様々なモチベーションで
集まってきてくれると思います。
リスクをおかしてまで
集まってきてくれたスタッフが、
十分に報われるような
精神面や金銭面やステータスを
与える事ができるように
国や県が考えて頂ければ
スタッフは必ず集まると思います。

医師は
呼吸器内科、救急科、集中治療を
専門とする医師を集めると良いと思います。
悔しいですが、
私は消化器内科で
余り役にたてそうもありません。
熱い志はあるのですが、
私がしゃしゃり出ても
ありがた迷惑になっていまいます(苦笑)
悔しいですが、新型ウイルスに
胃カメラ、大腸カメラは
何の役にも立ちません。。。

また、有志の医師やスタッフが
新型ウイルス専門病院に派遣されると、
もともと所属していた病院の人手が
足りなくなると思います。
そこで提案ですが、
もしも、
一般病院を
新型ウイルス専門病院に変えるなら、
働く場所を変えたいと希望するスタッフと
有志のスタッフが抜けて
人手が足りなくなる一般病院との
スタッフを一時的に
交換する事が出来れば、
一般病院の有志のスタッフ、
異動希望の新型ウイルス専門病院のスタッフ、
それぞれの病院同士が
うまく回ると思うのですが
如何でしょうか。
もちろん机上の空論で、
そんなにうまく
1対1で交換できないでしょうが
一つのアイデアではないでしょうか。

以上がドクター未来の提案です。
少しでも新型ウイルス専門病院の前進に役に立てば嬉しいです。



長くなってしまいましたが、
お付き合い頂き
ありがとうございました。
今回はみなさんのためというより、
一般的な医師である
私の叫びであったかもしれません。
お偉い人達の耳に
届くように願いつつ、
さらには
みなさんの健康に
つながればと切に願います。
早く新型ウイルス禍が
収束すると良いですね。
みなさん一緒に
新型ウイルスに立ち向かいましょう。
それでは、次回またお会いしましょう。

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